松本清張の『風の息』を読みながら

松本清張 『風の息』 本文

松本清張の単行本『風の息』(上・下)を買った。

昭和47年発刊の古本だが、さほどの傷みもない。活版の小さな文字で上下二段組み、300ページを裕に超える量で2冊、なかなかの大作だ。

昭和27年伊豆大島で墜落した飛行機「もく星号」を巡る謎の事件を、ドキュメンタリーを基本に描いたミステリー小説である。


内容はまだこれから読むのだが、久しぶりに触れた活版のざらっとした凹凸のある紙の表面がすごく懐かしかった。小さな文字でもシャープで読みやすい。

活版から写植に変わり、どうも紙面がさらっとした風に感じるなぁと感じていたら、いつのまに写植もDTPがとってかわった。

 

この間表参道のギャラリーで活版の展覧会をやっていた。


活版で作ったアートともいえる文字の展示と、ワークショップとして「写植機SPICA-AH(スピカ-AH)」の体験会。大きさ62Q以内文章は515文字位で好きな言葉を印刷してくれる。

驚いたことに若い人がたくさん来ていて、皆思い思いの言葉を用意してきて、うれしそうに持ち帰っていた。

松本清張 『風の息』 表紙

活版の名刺もひそかなブームだと聞く。

個人が徹底的に個性と美を追求し、自由に選択できるようになった結果、写植や活版の美しさが見直されているのだろう。

 

どこにこだわりを持つのか。

人それぞれここだけはゆずれない、こだわりたい、っていうものがある。


私は紙が好きだなぁ。


美しい書体が自分の好きな紙に、偏り過ぎないくらいのシンプルなレイアウトで印刷されていると、なんだかほっとする。


松本清張の『風の息』を読みながら、そんなことに思いを巡らせている。 


     

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